入賞者決まる
尾崎 放哉(おさき・ほうさい=本名・秀雄)1885〜1926年
 鳥取市の旧士族の家に生まれる。鳥取一中から一高に進み帝大法科卒。保険業界で10年ほど働くが、体調を崩し退職。妻・馨との別居などもあり、俳句仲間の井上一二を頼って小豆島へ。約8カ月後の1926年4月7日死去。
 俳句に打ち込むようになったのは、一高時代に荻原井泉水と出会ったのがきっかけ。俳誌ホトトギスにも掲載され、自由律俳句の先駆者の一人として知られる。研ぎ澄まされた言葉が、現代人の共感を得ている。

大賞(一般の部)は北窓さん(倉吉) 高校の部は渡部さん(鳥取城北)

 第14回全国公募書道展「放哉(ほうさい)を書く」(放哉の会、新日本海新聞社主催)の審査会が7日、鳥取市富安2丁目の日本海新聞ビル5階ホールで開かれ、最高賞となる放哉大賞・鳥取県知事賞に、一般の部は倉吉市上井の北窓妙子さん(70)の「ここから浪音きこえぬほどの海の青さの」、高校の部は鳥取城北高3年の渡部和花(のどか)さん(18)の「花火があがる空の方が町だよ」が選ばれた。

 鳥取市出身で自由律俳句の代表的俳人、尾崎放哉の句を題材にした書道作品を全国から公募。今回は一般の部に165点、高校の部に53点、色紙の部に21点の応募があった。日本詩文書作家協会の石飛博光会長や独立書人団参事の柴山抱海氏ら7人が審査した。

 準大賞・鳥取市長賞には、一般の部は東京都小平市の森木夢羽さん(22)、高校の部は静岡県立沼津西高3年の高橋世理加さん(17)、色紙の部の最高賞となる新日本海新聞社社主賞には埼玉県鶴ケ島市の佐藤一則さん(72)が選ばれた。

 入賞作品は11月2〜5日に鳥取市のとりぎん文化会館など3カ所で展示する。表彰式は11月3日に同会館で行われる。(松本妙子)

一般の部で大賞に選ばれた北窓妙子さんの作品「ここから浪音きこえぬほどの海の青さの」
高校の部で大賞に選ばれた渡部和花さんの作品「花火があがる空の方が町だよ」

作品群、多彩で見応え 表現や理解力を評価

作品を並べて評価する審査員=7日、鳥取市富安2丁目の日本海新聞5階ホール

 7日に鳥取市内で開かれた第14回全国公募書道展「放哉を書く」の審査会では、審査員が線の太さや濃淡、かすれなどの表現力、句への理解力などを評価した。全体を通して審査員らは「多彩で見応えのある作品ぞろい」と講評した。

 審査したのは、日本詩文書作家協会の石飛博光会長や独立書人団参事の柴山抱海氏ら7人。感染症対策のため石飛会長はタブレット端末を使って東京都からリモートで参加した。全作品に得点を付けて上位作品を選出。上位作品を横1列に並べて見比べ、各賞の受賞者を決めた。

 一般の部で大賞に選ばれた倉吉市上井の北窓妙子さん(70)の作品について、柴山氏は「珍しい構図。変化に富んで面白い一方で、バランス良くまとめている」と講評。高校の部大賞の鳥取城北高3年、渡部和花(のどか)さん(18)の作品については「紙に負けない大小ふぞろいの力強い文字で、句の世界観をうまく表している」と絶賛した。

 全ての作品を通して、柴山氏は「コロナ禍で創作活動にも影響があった中、多彩な作品が数多くあった。放哉の句を通じておしとやかできれいなだけではない、たくましく枠を超えた作品が出てきてほしい」と話した。 (松本妙子)

公募書道展「放哉を書く」入賞者

【一般の部】
▽放哉大賞・鳥取県知事賞=北窓 妙子(倉吉市)
▽放哉準大賞・鳥取市長賞=森木 夢羽(東京都小平市)
▽新日本海新聞社社主賞=石原 敬子(岩美町)
▽鳥取県議会議長賞=河田 桂吾(鳥取市)
▽鳥取市議会議長賞=山田 美鈴(琴浦町)
▽鳥取商工会議所会頭賞=木下美佐恵(鳥取市)
▽鳥取県文化団体連合会会長賞=岩田 輝代(鳥取市)
▽鳥取市文化団体協議会会長賞=矢谷 千春(鳥取市)
▽鳥取市社会教育事業団理事長賞=後藤 文平(米子市)
▽鳥取市文化財団理事長賞=言水さつき(岩美町)
▽鳥取県因州和紙共同組合代表理事賞=伊吹 京子(鳥取市)
▽鳥取県民藝美術館館長賞=音田 晃江(鳥取市)
▽美術の杜社長賞=日野真知子(鳥取市)
▽宝林堂社長賞=高塚 淑子(鳥取市)
▽放哉賞=田中こころ(島根県松江市)
 熊谷真知子(東京都目黒区)
 細谷 孝之(埼玉県入間郡)
 金澤 順子(鳥取市)
▽新日本海新聞社賞=伊井  進(東京都中野区)
 谷口真理子(鳥取市)
 松本 邦彦(東京都小金井市)
▽秀作=松本美由喜(鳥取市)
 仙田 暢子(静岡県御殿場市)
 村上真理子(千葉県市川市)
 寺島佐知子(東京都台東区)
▽佳作=森上 百合(湯梨浜町)
 坂本三枝子(茨城県水戸市)
 小谷佐知子(鳥取市)
 米原 嘉教(倉吉市)
【高校の部】
▽放哉大賞・鳥取県知事賞=渡部 和花(鳥取城北高校)
▽放哉準大賞・鳥取市長賞=高橋世理加(沼津西高校)
▽新日本海新聞社社主賞=長谷川こころ(鳥取城北高校)
▽鳥取県議会議長賞=小谷 優依(八頭高校)
▽鳥取県教育長賞=岡田 麻衣(八頭高校)
▽鳥取市議会議長賞=山崎 友音(八頭高校)
▽鳥取市教育長賞=山根 茅乃(鳥取中央育英高校)
▽放哉賞=牧田 心花(鳥取城北高校)
 原本  遥(八頭高校)
 中嶋 栞里(鳥取城北高校)
▽新日本海新聞社賞=渡邉 心音(鳥取東高校)
 江谷 美咲(鳥取西高校)
▽秀作=平井 耶衣(鳥取東高校)
 楠田奈々楓(鳥取城北高校)
▽佳作=林  伶奈(鳥取東高校)
 佐藤萌々夏(鳥取城北高校)
【色紙の部】
▽新日本海新聞社社主賞=佐藤 一則(埼玉県鶴ヶ島市)
▽放哉賞=米原 孝子(倉吉市)
▽新日本海新聞社賞=織田 直子(鳥取市)
▽秀作=藤本 千琴(広島市中区)
 加藤 静香(倉吉市関金町)
■「放哉の会」事務局
〒680-0841 鳥取県鳥取市吉方温泉3丁目701 鳥取市文化センター内TEL090-3635-2843(担当・岡村)