放哉を書く 審査結果



第4回「放哉を書く」大賞に千葉県の小宮さん
高校の部は鳥取東高・中村有香さん



一般の部 県知事賞
小宮太虚
高校の部 鳥取県知事賞 中村有香

 第4回全国公募書道展「放哉を書く」(放哉の会、新日本海新聞社主催)の審査会が8月20日に鳥取市の新日本海新聞社5階ホールで開かれ、放哉大賞・鳥取県知事賞に、一般の部が千葉県柏市の小宮太虚さん(64)の「春の山のうしろから烟(けむり)が出だした」、高校の部は鳥取市国府町、鳥取東高2年の中村有香さん(17)の「くりくり太った児がようころぶ」がそれぞれ輝いた。

 今展では東日本大震災被災地支援特別賞が新設され、東北3県から応募した一般2人、高校1人の3作品が選ばれた。

 鳥取市出身の自由律俳人、尾崎放哉の句を題材にした書を通して放哉の魅力を全国に発信しようと2008年から毎年開催。今展は全国から一般の部に370点、高校の部に100点、色紙の部に30点の応募があった。

 審査は書家で日展参与の大井錦亭氏、美術評論家の田宮文平氏、地元の書家、柴山抱海、稲垣晴雲、住川英明、石田雲鶴、村上千津子の各氏と須崎俊雄鳥取市文化団体協議会長の8氏が当たった。一般・高校・色紙の部門ごとに慎重に選考が行われた。

 「放哉を書く」書道展は、漢字かな交じり文に注目が集まる現在の書道界でも、自由律の放哉俳句の面白さが書家の創作意欲を刺激し、今展にも多様性に富んだ作品はエネルギッシュなものが目立った。

 一般の部大賞の小宮太虚さんの作品は、全紙大に1行で勢いよく書いた作品。美術評論家の田宮文平氏は「豪放さと大胆さのみなぎる意欲作。気持ちの躍動感が伝わってくる」と高く評価した。

 高校生の部には、地元をはじめ東北、関東、九州、関西など全国から昨年を大幅に上回る作品が寄せられた。句選び、筆遣いにも若い感性がみなぎっていた。

 大賞の中村有香さんの作品は全紙大に2行に分けて書いた大作。日展参与の大井錦亭氏は「素朴で堂々とした作品。しゃれっ気もあり、底力を見せつける。一般の部でも相当上にいく」と講評。

 総評で田宮氏は「当初は放哉の句と書のイメージが合わない作品もあったが、年々レベルアップ。展覧会の目的に沿うようになった。まちづくりにもつながるだろう」と話した。

 一般の部大賞・鳥取県知事賞の小宮太虚さんの話 放哉の作品を全部書いてみたが、辞世の句に心引かれたので応募作品に選んだ。見てくださる方に何か伝わればうれしい。

 高校の部大賞・鳥取県知事賞の中村有香さんの話 こんな大きな賞をいただきとてもうれしい。想像しやすくて元気もあって選んだ句だが、くりくりした感じが出せなくて何度も練習した。

 

 表彰式は11月3日(木)午後1時30分から、鳥取市東町2丁目、鳥取県立博物館で。

 「放哉を書く」書道展は11月3日(木)から6日(日)まで、鳥取県立博物館など鳥取市内3会場で。


入賞者は次の通り

■一般の部
姓  号住   所
放哉大賞・鳥取県知事賞 小宮 太虚 千葉県柏市 春の山のうしろから烟が出だした
準大賞・鳥取市長賞 松本 李南 鳥取市 あすは雨らしい青葉の中の堂をしめる
鳥取県教育長賞 城所 芳秀 埼玉県狭山市 雨萩に降りて流れ
鳥取市教育長賞 近藤 渓月 鳥取市 稲妻や豊年祭過ぎし空
新日本海新聞社主賞 山田 美鈴 東伯郡琴浦町 夜中の襖遠くしめられたる
放哉賞 村上真理子 鳥取市 ふところの焼き芋のあたたかさである
放哉賞 岡村 抱寿 鳥取市 今朝の夢を忘れて草むしりをしていた
放哉賞 鈴木 江庭 東京都練馬区 昼の鶏なく漁師の家ばかり
放哉賞 松田 翠秀 東京都三鷹市 虫送り鎮守の太鼓叩きけり
放哉賞 富川 桃湖 東京都杉並区 一日物云はず蝶の影さす
放哉賞 保志 希香 神奈川県横浜市 蟷螂ばたりと落ちて斧を忘れず
放哉賞 岩田 輝代 鳥取市 風落ちしより落つる松の葉
放哉賞 川瀬 滋子 鳥取市 舟中に雷を怖れぬ女かな
放哉賞 山田 煌玉 大阪府堺市 針の穴の青空に糸を通す
放哉賞 木村 邦子 静岡県長泉町 何か求むる心海へ放つ
新日本海新聞社賞 望月 一耿 静岡県駿河区 何か求むる心海へ放つ
新日本海新聞社賞 石原 秀海 岩美郡岩美町 庭石一つすゑられて夕暮れが来る
新日本海新聞社賞 牛田 瑞紅 東京都三鷹市 心をまとめる鉛筆とがらす
新日本海新聞社賞 坂口 豊苑 東京都杉並区 霜とけ鳥光る
新日本海新聞社賞 石田 寛亭 鳥取市 どんどん泣いてしまった児の顔
新日本海新聞社賞 足立 恵世 鳥取市 大根洗ひの手をかりに来られる
新日本海新聞社賞 山内 柚佳 岩美郡岩美町 ほっかり池ある夕べの小波
新日本海新聞社賞 金澤 順子 鳥取市 小さい手で貝殻かぞへる
新日本海新聞社賞 言水 抱泉 岩美郡岩美町 竹の葉さやさや人恋しくておる
新日本海新聞社賞 河田 桂山 鳥取市 稲妻や犬しきりなく椽の下
秀作 南 史晃 岡山市 わかれを云ひて幌おろす白いゆびさき
秀作 北山 直高 大阪府寝屋川市 心をまとめる鉛筆とがらす
秀作 山本 瑤子 鳥取市 駒返り峠に向ふ霰かな
秀作 小宮 東秋 鳥取市 白粉のとく澄み行くや秋の水
秀作 板倉 大河 大阪府堺市 たくさんある児がめいめいの本をよんでる
秀作 矢谷 千春 鳥取市 小さい家をたてておる風の中
秀作 神波 白亭 東伯郡湯梨浜町 ころりと横になる今日が終わって居る
秀作 細谷 孝雪 埼玉県三芳町 入れものが無い両手で受ける
秀作 西山 君子 鳥取市 肉がやせてくる太い骨である
秀作 西山 抱剛 鳥取市 故郷の冬空にもどって来た
佳作 佐藤高志雄 埼玉県鶴ヶ島市 淋しい寝る本がない
佳作 宦@寛子 鳥取市 曲った宿の下駄はいて 秋の河原は石ばかり
佳作 松本 卓 東京都大田区 いつしかついて来た犬と浜辺に居る
佳作 神谷 弘汀 島根県松江市 露多き萩の小家や町はずれ
佳作 米村三千江 鳥取市 雨の中泥手を洗ふ
佳作 北窓 妙子 鳥取県倉吉市 乞食に話しかける我となって草もゆ
佳作 米原 寿亭 倉吉市 道いっぱいになって来る牛に出遭った
佳作 三枝 百葉 埼玉県志木市 蛙の子がふえたこと地べたのぬくとさ
佳作 永井 光抱 静岡県浜松市 蓮の葉押しわけて出て咲く花の朝だ
佳作 田中 司子 東京都江東区 枯枝ほきほき折るによし
入選 井上  惺 鳥取市 夕立や渚はれゆく波たかし
入選 船本 彩 東京都目黒区 風吹く家のまはり花無し
入選 澤 芳蘭 鳥取市 ぬくき限りの猫柳
入選 山方みさ江 鳥取市 秋風のお堂で顔が一つ
入選 伊藤 青林 島根県松江市 鐘ついて去る鐘の余韻の中
入選 福田 聰子 鳥取市 松原のあかるき砂に野菊かな
入選 前田 花子 鳥取市 雑草花つける強い夕風
入選 村上 光雲 鳥取市 灯をともし来る女の瞳
入選 中野 志抱 鳥取市 一日の終りのすずめ
入選(被災地支援特別賞) 佐藤 奎山 宮城県大河原町 朝顔や金魚は白き秋となり
入選 中本 康恵 鳥取市 月夜風ある一人咳して
入選 漆原 楊春 鳥取市 露多き萩の小家や町はづれ
入選 中尾 久華 鳥取市 鶴鳴く霜夜の障子ま白くて寝る
入選 横野 蘭雲 鳥取市 草原牛が寝て居た
入選 岸本 碧泉 鳥取市 耳なれて妻の砧や夢に入る
入選 石波 美香 鳥取市 山の池晴れ蛙勇躍す
入選 丸山 碧水 鳥取市 雨萩に降りて流れ
入選 北村 汎 東京都渋谷区 沈黙の池に亀一つ浮き上る
入選 尾高 松遊 東京都目黒区 降る雨庭に流をつくり侘び居る
入選 門永 弘子 鳥取県境港市 たった一人になり切って夕空
入選 城内 清葩 東京都清瀬市 落葉掃けばころころ木の実
入選 谷口 留仙 鳥取市 雀が背のびして覗く俺だよ
入選 加藤 雲亭 東伯郡三朝町 風音ばかりのなかの水汲む
入選 足達 美洲 東伯郡北栄町 髪の美しさもてあまして居る
入選 吉田 蘭亭 倉吉市 一本のからかさを貸してしまった
入選 中林 静雲 鳥取市 友の夏帽が新しい海に行こうか
入選 守山 末子 鳥取市 あかつきの木々をぬらして過ぎし雨
入選 阿部 秀信 愛媛県四国中央市 一日物云はず蝶の影さす
入選 西川 東耕 八頭町 我庭の露三升や月今宵
入選 木下 智子 鳥取市 石塔にもたれて月を眺めけり
入選 外山 好司 静岡県富士宮市 雨の中泥手を洗ふ
入選 伊吹 京子 鳥取市 雨の舟岸により来る
入選 小林 正子 東京都武蔵野市 犬よちぎれるほど尾をふってくれる
入選 栗岡 貞華 鳥取市 窓あけた笑ひ顔だ
入選 豊田 翠亭 倉吉市 となりへだんご持って行く藪の中
入選 武田 葉苑 鳥取市 考え事して橋渡りきる
入選 橋本 綏子 鳥取市 浮草風に小さい花咲かせ
入選 川本 歩 鳥取市 たった一人になりきって夕空
入選 豊口 博子 鳥取市 たった一人になり切って夕空
入選 花田 永津 松江市 紅葉あかるく手紙よむによし
入選 稲田 房江 鳥取市 霜とけ鳥光る
入選 松本 朱苑 兵庫県西宮市 秋日和四国の山は皆ひくし
入選 織田 翠華 鳥取市 どっさり春の終りの雪ふり
入選 竹内 和子 鳥取市 紅葉あかるく手紙よむによし
入選 小山 邦子 鳥取市 春寒や嵐雪の句をいしにほる
入選 山口 絹代 鳥取市 朝月嵐となる
入選 西尾依里子 鳥取市 風音ばかりのなかの水汲む
入選 前川 竹葉 鳥取市 菜の花に一日で出来上りし家
入選 横山 清恵 鳥取市 をそくなって月夜となった庵
入選 森田 彩翠 鳥取市 朝顔や金魚は白き秋となり
入選 瀧 峯堂 鳥取市 人をそしる心をすて豆の河むく
入選 松本 東峰 岩美郡岩美町 夏帽新しく睡蓮に昼の風あり
入選 杉森 有翠 東京都国分寺市 妻が留守の障子ぽっとり暮れたり
入選 板橋 松華 東京都三鷹市 一人の道が暮れて来た
入選 木下 遊翠 東京都杉並区 沈黙の池に亀一つ浮き上る
入選 安部 美江 鳥取市 青いねぎばかり島は秋雨
入選 松井 脩亭 倉吉市 かたい机でうたた寝して居った
入選 藤本 旺亭 倉吉市 淋しいからだから爪がのび出す
入選 吉野 裕子 東伯郡三朝町 一人分の米白々と洗ひあげたる
入選 井関 江雲 鳥取市 山吹きの花咲き尋ねて居る
入選 西尾 嶺石 八頭町 百合咲くや朝ほがらかに藪の中
入選 上田 純一 鳥取市 大空のました帽子かぶらず
入選 船背 香雲 鳥取市 霜とけ鳥光る
入選 小田切恵雲 鳥取市 窓をあけた笑ひ顔だ
入選 浜本 富祥 鳥取市 どっさり春の終りの雪ふり
入選 田中 幸月 鳥取市 なん本もマッチ棒を消し海風に話す
入選 西川 浩雲 鳥取市 肉がやせてくる太い骨である
入選 入江 花洋 鳥取市 芒光れるのみ船も来ぬ港
入選 栂尾 裕雪 鳥取市 秋の雨朝より障子しめきりつ
入選 西尾 白汀 鳥取市 鶴鳴く霜夜の障子ま白くて寝る
入選 清水 青泉 八頭町 新しき本屋が出来た町の灯
入選 安田 澄水 鳥取市 城郭の白壁残る若葉かな
入選 船内 三永 鳥取市 秋風のお堂で顔が一つ
入選 小杉 芳雲 鳥取市 落葉木をふりおとして青空をはく
入選 松嶋 澄雲 東伯郡湯梨浜町 ふとん積みあげて朝を掃き出す
入選 櫻井 徳史 福井県越前市 ころりと横になる今日が終わって居る
入選 山田 美舟 鳥取市 芹の水にごらすもの居て澄み来る
入選 小林 松逕 鳥取市 お遍路木槿の花をほめる杖つく
入選 宮崎 佳泉 大分県大分市 沈黙の池に亀一つ浮き上る
入選 武井とも子 東京都小平市 残雪に雨ふる
入選 大橋 陽子 鳥取市 山寺灯されて見て通る
入選 米沢 明美 鳥取市 こんなよい月を一人で見て寝る
入選 谷本 雄史 鳥取県岩美町 風に吹かれ念仏申して居る
入選 速水 春光 大阪府堺市 とっぷり暮れたる夜の灯が親し
入選 八木谷悦子 鳥取市 雨の日は御灯ともし一人居る
入選 池原 禎子 鳥取市 雨萩に降りて流れ
入選 春菜 桂花 八頭郡八頭町 初冬の蘇鉄は庭の王者かな
入選 池原 翔雲 鳥取市 窓まで這って来た顔出して青草
入選 川上 和舟 大阪府大阪狭山市 何か求むる心海へ放つ
入選 岡田 珠美 東京都千代田区 うそをついたやうな昼の月がある
入選 水口 初江 鳥取市 春寒や小梅もどりのカラ車
入選 谷口 真理 鳥取市 何か求むる心海へ放つ
入選 水口 喜美枝 埼玉県鳩山町 一日物云はず蝶の影さす
入選 望月すず江 静岡県静岡市 たった一人になり切って夕空
入選 米山 弥帆 鳥取市 霜とけ鳥光る
入選 吉川 南城 島根県松江市八 口笛吹かるゝ朝の森の青さは
入選 冨山 邦蘭 東伯郡湯梨浜町 大風の空の中にて鳴る鐘
入選 堀  春亭 倉吉市 障子しめきって淋しさをみたす
入選 梅木 由美 東京都世田谷区 鶏頭や紺屋の庭に紅久し
入選 横田 窓蛍 東伯郡琴浦町 酔いがさめ行く虫の音の一人となりて
入選 前田 崇雲 鳥取市 まつかさそっくり火になった
入選 藤井 琴亭 東伯郡琴浦町 足のうら洗へば白くなる
入選 河嶋 保亭 鳥取県倉吉市 とんぼが淋しい机にとまりに来てくれた
入選 石原 渓亭 東伯郡三朝町 とんぼの尾をつまみそこねた
入選 石田 瑶亭 倉吉市 追っかけて追ひ付いた風の中
入選 磯江 節代 東伯郡北栄町 底がぬけた杓で水を呑もうとした
入選 山崎  雲 倉吉市 雨の日がつづき雀をみている
入選 入江 里子 鳥取市 夏の月塔に上れば横に在り
入選 古川 桃紅 熊本市 口笛吹かるる朝の森の青さは
入選 鎌谷 汪雲 鳥取市 名残の夕陽ある淋しさ山よ
入選 森 冨美江 鳥取市 雲雀暮れゆく土に吸はれけり
入選 山根 晴月 八頭町 青い息つく蛍一つ見つめ居り
入選 前田 香葉 鳥取市 木犀に人を思ひて徘徊す
入選 白数富美子 京都府京都市 眼の前魚がとんで見せる島の夕陽に来て居る
入選 岡本 通子 鳥取市 浮草風に小さい花咲かせ
入選 西垣 康雲 鳥取市 小さい家をたてて居る風の中
入選 桑原 一鴻 千葉県市原市 何か求むる心海へ放つ
入選 井上 美穂 八頭町 お月さんもたった一つよ
入選 川上 美佐子 鳥取市 思いがけもないとこにでた道の秋草
入選 中島せつ子 鳥取市 落葉たく煙の中の顔である
入選 澤田 好祥 八頭町 大木にかくれて雪の地蔵かな
入選 澤田 明花 八頭町 急ぎ足に草履の人や後の月
入選 桜田百合子 鳥取市 風音ばかりの中の水汲む
入選 森田 春烟 鳥取市 寒菊や鶏を呼ぶ畑のすみ
入選 山根 亮海 鳥取市 月夜の葦が折れとる
入選 木下美佐恵 鳥取市 ほっかり池ある夕べの小波
入選 牧田このみ 東伯郡北栄町 三味線が上手な島の夜のとしより
入選 森本 富子 鳥取市雲 舟の灯を数えてから門をしめる
入選 中野 早盈 東京都小金井市 ゆめの人ゆめの鳥夢の行かすや
入選 中島 久栄 東京都港区 風よ俺を呼んで居るな風よ
入選 米村 郁芳 鳥取市 石塔にもたれて月を眺めけり
入選 伊賀 博巳 兵庫県香美町 一ツ足らぬ鶏を呼ぶ芒の風
入選 蔵多 正温 東京都杉並区 たった一人になり切って夕空
入選 岡田瑠美子 鳥取市 紫陽花に松の雫や水打てば
入選 下田美智子 神奈川県相模原市 鳳仙花の実をはねさせて見ても淋しい
入選 大島 泰菁 東京都中野区 いつしかついて来た犬と浜辺にゐる
入選 岡森 英子 八頭郡八頭町 久し振りの太陽の下で働く
入選 秋田 睦江 鳥取市 早さとぶ小鳥見て山路行く
入選 株本 祥泉 美方郡新温泉町 落葉ヘラヘラ顔ゆがめて笑う事
入選 西垣 幸染 鳥取市 ここから波音きこえぬほどの海の青さの
入選 中村 秀雲 鳥取市 壁の新聞の女はいつも泣いている
入選 西垣 富子 鳥取市 桜ひとかたまりにさきおちて池水
入選 岡部 幸大 新潟県魚沼市 人をそしる心をすて豆の皮をむく
入選 長谷 満枝 鳥取市 かまどが気持ちよく燃える
入選 林 寿延 鳥取市 入れものが無い両手で受ける
入選 村本 栄琴 富山県高岡市 青梅酸っぱい顔して落ちとる
入選 武藤 青穆 愛知県名古屋市 こんなよい月を一人で見て寝る
入選 角田 爽玉 神奈川県川崎市 犬よちぎれるほど尾をふってくれる
入選 中川千鶴子 鳥取市 浮草風に小さい花咲かせ
入選 瀬川 寛涛 千葉県木更津市 やせたからだを窓に置き船の汽笛
入選 篠田由美子 東京都調布市 象に乗て小さき月に歩みけり
入選 鈴木 鳴鳳 静岡県浜松市 一人豆を煮る夜のとろとろ火
入選 木間 栄子 鳥取市 月夜の葦が折れとる
入選 久保 千樹 栃木県宇都宮市 鳳仙花の実をはねさせて見ても淋しい
入選 田阪 恵美 東京都練馬区 ひそかに波よせ明けてゐる
入選(被災地支援特別賞) 小泉 春水 茨城県水戸市 稲妻や犬しきりなく縁の下
入選 吉田 武彦 佐賀県鳥栖市 紅葉あかるく手紙よむによし
入選 黒沢 蘭逕 東京都練馬区 風に吹かれ念仏申して居る
入選 田口 清帆 岩美郡岩美町 網干炎天筋肉りうりう
入選 重富  峻 佐賀県鹿島市 柘榴が口あけたたわけた恋だ
入選 板倉 陽子 大阪府堺市 何か求むる心海に放つ
入選 稲塚 黄榮 島根県松江市 雨の幾日かつゞき雀を見てゐる
入選 魚谷 汀舟 富山県高岡市 沈黙の池に亀一つ浮き上る
入選 坂本 泉翠 東伯郡琴浦町 友の夏帽が新しい海に行こうか
入選 土井 玉泉 東伯郡湯梨浜町 何か掴まえた児が藪から出て来た
入選 平尾 桂峰 鳥取市 落葉たく煙の中の顔である
入選 小椋 佳翠 倉吉市 久し振りの雨の雨だれの音
入選 長谷 紀子 鳥取市 雀が背のびして覗く俺だよ
入選 財田 俊子 鳥取市 落葉拾う手て棄てて別れたきり
入選 中村 数江 鳥取市 淋しいぞ一人五本のゆびを開いて見る
入選 高濱 久虹 島根県松江市 竹の葉さやさや人恋しくて居る
入選 吉松 奏心 松江市 芭蕉の廣い葉であふがれて居る蒼空
入選 吉松 緋雪 松江市 さあ今日はどこへ行って遊ぼう雀等の朝
入選 湯野 碩雲 鳥取市 夜通し雪の街灯
入選 小泉 貴弘 大阪府大阪市 渚白い足出し
入選 阿賀 彩雨 神奈川県横浜市 窓に迫る雑草の勢を見る
入選 中山美沙子 鳥取市 ねむの花の昼すぎの釣鐘重たし
入選 津川 大守 東京都大田区 何か求むる心海へ放つ
入選 植村 白鵬 大分県佐伯市 城郭の白壁残る若葉かな
入選 板倉 啓子 大阪府堺市 雨萩に降りて流れ
入選(被災地支援特別賞) 笠嶋 雪山 宮城県多賀城市 牛の眼なつかしく堤の夕の行きずり
入選 及川 瑞博 静岡市葵区 爪切ったゆびが十本ある
入選 岡野 峯雲 倉吉市 朝早い道のいぬころ
入選 寺坂 青畝 香川県三豊市 曼珠沙華がみんな踏み折ってある
入選 岡本友佳子 和歌山県和歌山市 足のうら洗へば白くなる
入選 伊田 秀雲 鳥取市 ころりと横になる今日が終わって居る
入選 岸本 陽子 鳥取市 渚白い足出し
入選 平尾 東翠 鳥取市 朝顔の蔓のさきの命ふるはす
入選 前嶋 修一 鳥取市 今朝の太陽と話す
入選 木村禮三郎 鳥取市 咳をしてもひとり
入選 長谷川松帆 松江市 海凪の日大河を入れる
入選 石破 美幸 鳥取市 土くれのやうに雀居り青草も無し
入選 川戸 白菖 八頭町 浮草風に小さい花咲かせ
入選 西村 俊光 姫路市 沈黙の池に亀一つ浮き上る
入選 前田  翠波 鳥取市 お遍路鈴音こぼし秋草の道
入選 岡垣 華雲 八頭町 もやの中水音遭ひに行くなり
入選 田渕 孝子 鳥取市 春が来たと大きな新聞広告
入選 中村 淑子 鳥取市 静もれる森の中をののけるこの一葉
入選 早川 笙雲 鳥取市 壁の新聞の女はいつも泣いている
入選 永田 信子 鳥取市 草に残る風のみに月夜となれり
入選 内田 梅雪 八頭町 晴れたる朝を冷やかな椅子の病人
入選 加藤 香泉 八頭町 春寒や嵐雪の区を石にほる
入選 舛田いさ江 鳥取市 霜とけ鳥光る
入選 澤田 美泉 鳥取市 高野道御山蜻蛉の日和かな
入選 山崎 哲秀 大分県大分市 留守番をして地震にゆられて居る
入選 田原 峰道 大分県別府市 蜘蛛がすうと下りて来た朝を眼の前にす
入選 堀岡 尚華 大分県大分市 海は黒く眠りをり宿につきたり
入選 山村 佳子 大分県大分市 風邪に居て障子の内の小春かな
入選 若林 裕美 大分県大分市 蓮の葉押しわけて出て咲いた花の朝だ
入選 西村みさ子 鳥取市 故郷の冬空にもどって来た



■高校生の部
氏   名 高 校 名
放哉大賞・鳥取県知事賞 中村 有香 鳥取東高 くりくり太った児がようころぶ
放哉賞 石井 咲衣 鳥取東高 今逢うて来た顔で炭火ををこす
新日本海新聞社賞 山本 美莉 鳥取東高 小芋ころころはかりをよくしてくれる
新日本海新聞社賞 宮部 梨恵 鳥取東高 わが顔ぶらさげてあやまりにゆく
新日本海新聞社賞 井本 有紀 鳥取東高 あついめしがたけた野茶屋
新日本海新聞社賞 岡田 望 鳥取城北高校 ここから浪音きこえぬほどの海の青さの
新日本海新聞社賞 唐島 優理 鳥取城北高校 花火があがる空の方が町だよ
新日本海新聞社賞 谷本 安矢 鳥取城北高校 傘さしかけて心よりそへる
新日本海新聞社賞 坂尾 詠子 八頭高校 大空のました帽子かぶらず
秀作賞 山下 希奈 土庄高校 ほんきで鶏を叱って居る
秀作賞 松岡 祐里 鳥取西高 秋風のお堂で顔が一つ
秀作賞 谷口 莉沙 鳥取東高 犬よちぎれる程尾をふってくれる
秀作賞 北浦ゆり子 鳥取東高 道いっぱいになって来る牛と出逢った
秀作賞 山口 香織 鳥取東高 花火があがる空の方が町だよ
秀作賞 田邨みずほ 鳥取東高 花屋のはさみの音朝寝しておる
秀作賞 安田 奈央 鳥取東高 酔のさめかけの星が出てゐる
秀作賞 森田 景子 鳥取東高 かたい机でうたた寝して居った
秀作賞 福本 若奈 鳥取城北高校 大空のました帽子かぶらず
秀作賞 橋本 美咲 八頭高校 みんなが夜の雪をふんでいんだ
秀作賞 田村 芽衣  八頭高校 するどい風の中で別れようとする
秀作賞 西村 穂実 八頭高校 夕日の中へ力いっぱい馬を追ひかける
秀作賞 佐々木明里 八頭高校 小さい島にすみ島の雪
佳作 博田理紗子 鳥取東高 今朝の夢を忘れて草むしりをして居た
佳作 三宅 舞 鳥取東高 追っかけて追ひ付いた風の中
佳作 橋本 明莉 鳥取東高 なんと丸い月が出たよ窓
佳作 上田 志穂 鳥取東高 赤いたすきをかけて台所がせまい
佳作 川田 千尋 八頭高校 たった一人になり切って夕空
佳作 手島 春菜 大分商業高校 紫陽花の花青がちや百日紅
佳作 大林 英貴 大分高校 風の中走り来て手の中のあつい銭
佳作 加藤 舞 鳥取中央育英高校 水打って静かな家や夏やなぎ
入選(震災地支援特別賞) 佐藤 夏海 聖ウルスラ学院英智高等学校 なんと丸い月が出たよ窓
入選 二宮 睦 愛媛県立三島高等学校 何か求むる心海へ放つ
入選 森本真里奈 鳥取東高 窓あけた笑ひ顔だ
入選 三澤はる香 鳥取東高 鳥がだまってとんでいった
入選 幸山ひとみ 鳥取東高 蜜柑たべてよい火にあたって居る
入選 手嶋小百合 鳥取東高 友の夏帽が新しい海へ行こうか
入選 吉田 美輝 鳥取東高 たった一人になり切って夕空
入選 中田 夏海 鳥取東高 うそをついたような昼の月がある
入選 吉良 真輝 大分鶴崎高校 沈黙の池に亀一つ浮き上がる
入選 M本 瞳 大分高校 郷を去る一里朝霧はれにけり
入選 堀岡 春香 大分雄城高校 静かるるかげを動かし客に茶をつぐ
入選 薬師寺亜弥 大分高校 蜘蛛がすうと下りて来た朝を眼の前にす
入選 東 裕子 鳥取中央育英高校 犬が覗いている垣根にて何事もない昼
入選 山形 実優 鳥取中央育英高校 灯をともし来る女の瞳
入選 加藤 綾 鳥取中央育英高校 一日物云はず蝶の影さす
入選 櫻木友紀子 鳥取中央育英高校 刀師の刃ためすや朝寒み
入選 西田 まみ 鳥取中央育英高校 新らしき電信むらも菜種道
入選 中井 優奈 鳥取中央育英高校 流るる風に押され行き海に出る



■色紙の部
姓  号 住   所
放哉賞 城内 清葩 東京都清瀬市 大木にかくれて雪の地蔵かな
新日本海新聞社賞 佐藤高志雄 埼玉県鶴ヶ島市 咳入る日輪くらむ
秀作賞 古川 桃紅 熊本県熊本市 流るる風に押され行き海に出る
佳作 井関 江雲 鳥取市 山吹の花咲き尋ねて居る
入選 田中とし子 東京都渋谷区 茄子をもいできてぎしぎし洗ふ
入選 村松 敬 兵庫県明石市 こんなよい月をひとりで見て寝る
入選 勢木たまよ 鳥取市 あすは元日が来る佛とわたくし
入選 小俣英之助 大阪府豊中市 心をまとめる鉛筆をとがらす
入選 林 寿延 鳥取市 春の山のうしろから烟が出だした
入選 船場 和美 鳥取市 椿さくつ島の火山の日和かな
入選 橋元 美鳳 香川県小豆郡 なんと丸い月が出たよ窓
入選 上田 聖雲 倉吉市 久し振りの雨の雨だれの音
入選 江口 正子 鹿児島県薩摩川内市 咳をしても一人
入選 立石 結夏 東京都大田区 一人の道が暮れてきた

 
 
 
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